ゴルフでスコアアップを目指す場合、アイアンの引っ掛けは厳禁です。引っ掛けのミスはスライスよりも急激に曲がるため、OBのリスクが大きく向上するからです。
しかし
「アイアンだけ大きく左に巻いてしまう」
「引っかけを直したいけれど原因や直し方が分からない」
など、悩みは尽きないもの。
そこで今回は、アイアンが左に巻く原因や、引っ掛けを直すための練習方法を解説しました。
アイアンの引っ掛けが改善すれば、グリーンを捕えるナイスショットが出やすくなるため、ぜひ参考にしてください。
アイアンで引っ掛けがでる5つの原因
アイアンで引っ掛けが出る絶対的な原因は「インパクトの瞬間にフェースが左を向いている」です。
しかしその過程は、スイングの動きやアドレス、使っているクラブなどさまざまであるため、アイアンで引っ掛けが出る原因を正しく理解しましょう。
ここではアイアンで引っ掛けが出る原因を下記5点解説します。
引っ掛けの原因1:身体の回転が止まっている
ダウンスイング時に身体の回転が止まってしまうと、引っ掛けが出る原因となります。
通常はバックスイングからフォロースルーまで身体の回転主導でボールを打ちます。しかし身体の回転が止まってしまうと、ヘッドが先行してボールに当たってしまうため、フェースが被り、引っ掛けが出る原因となるのです。
身体の回転が止まって手だけでボールを捕える打ち方を「手打ち」ともいいます。過度なフックや引っ掛けが出る場合は、身体の回転を止めずに振り切る意識が重要といえるでしょう。
引っ掛けの原因2:フェースターンが強すぎる
フェースターンが強すぎるスイングもアイアンの引っ掛けの原因となります。
フェースターンとはその名の通りフェースを返す動きを指します。アイアンのフェースターンが強すぎると、インパクトの瞬間にフェースが左を向いてしまい、引っ掛けの原因となるのです。
フェースターンが強くなる原因は、基本的に手首の使い過ぎにあります。現在のクラブは過度なフェースターンをしなくてもボールが上がってくれるため、引っ掛けに悩む方は手首の返しを抑えたスイングがおすすめです。
引っ掛けの原因3:グリップの握り方が合っていない
アイアンで引っ掛けが出る原因として、グリップの握り方が合っていない可能性もあります。
特にアイアンの引っ掛けが出やすいグリップは「ストロンググリップ」です。ストロンググリップとは、左手の甲が上を向くように被って、右手は若干地面の方向を向く握り方です。
ストロンググリップはインパクト時にフェースが閉じ、フックが出やすいという特徴があります。そのため、元からフックが出やすい打ち方のゴルファーがストロンググリップを採用した場合や、ストロングリップが強すぎるゴルファーは引っ掛けが出る原因となります。
また、左手がターゲットの方向を向く「ウィークグリップ」にも注意が必要です。一般的にフェースが開いてスライスが出やすいといわれますが、フェースターンがしやすい点も特徴の1つです。アイアンで過度にフェースターンをしてしまうと、フェースが左を向き、引っ掛けが出る原因となる点に留意しましょう。
いずれにせよ、それぞれのグリップの特徴を理解し、自分に合った握り方を選ぶのが重要といえます。
アイアンの引っ掛けの原因の1つはグリップかなって気がする。
ストロンググリップだと無意識に手の甲をターゲット方向に向けてしまいインパクト前にフェースが閉じてるみたい。以前はそれでもターゲット方向に飛んでたのかもしれない。体の使い方が変わってスイング軌道が変わったのかもしれない。— YASAN (@YASAN_E_TOMO) September 3, 2018
引っ掛けの原因4:ボールの位置が間違っている
アドレス時のボール位置が間違っている場合も、アイアンを引っ掛ける原因となります。
具体的には、ボール位置が左すぎると左に巻くショットになる可能性が高いです。
ボールの位置が左になると、フェースターンの時間が増え、フェースが被った状態でインパクトを迎えやすくなるためです。加えて、最下点がボールの右となりダフリが出やすく、ダフった勢いでフェースが左に回転している可能性もあります。
また、身体とボールの距離が近すぎるとアウトサイドインになりやすく、その状態でフェースが被るとフックや引っ掛けの原因となります。反対に遠すぎてもライ角が小さくなり、フックが出る原因となる点に注意が必要です。
ボールの位置が合っていても、スタンスがクローズ気味になっている方は、ゴルフで左に巻いてしまう原因となります。
引っ掛け防止を行うためにもクラブごとの適切なボールの位置や真っすぐなスタンスを覚えましょう。
引っ掛けの原因5:クラブが自分に合っていない
「アイアンは引っ掛けが出るけどドライバーはスライスが出る」
「アイアンだけフック・引っ掛けが出る」
「アイアンだとストレートフックする」
といった場合は、アイアンが自分に合っていない可能性があります。
具体的に、以下のようなアイアンはつかまりすぎる可能性があります。
- グースネックのヘッド形状
- 柔らかすぎるシャフト
- 大きいライ角
- フェースが返りやすい重心位置
特に初心者向けのアイアンは、自然に打っても左に飛びやすい性能である場合が多いため、ゴルフが上達した際に急にフックが出るといった事態が起こり得ます。
そのため、つかまりすぎないで、左に行きにくいアイアンに変えたらすぐにフックが直る可能性があります。捕まりにくいアイアンとは、以下のようなモデルです。
- ストレートネックのヘッド形状
- 自分のヘッドスピードに合った硬さのシャフト
- 自分に合ったライ角
- フェースが返りにくい重心位置
アイアンの引っ掛けの直し方の練習ドリル3つ
アイアンの引っ掛けの解決には、適切な対策を理解して練習へ反映を行うのが重要です。
そこでここでは、ゴルフでアイアンの引っ掛けを治す方法や、左に行かない打ち方・練習ドリルを解説します。
直し方1:適切なボールの位置・グリップを覚える
アイアンの引っ掛けの改善を行うには、適切なボールの位置やグリップを覚えるのが重要です。
基本的にボールの位置は、クラブが長くなるほど左に移ります。7番アイアンでスタンスの中心もしくはボール1個分左に置き、ドライバーで左踵線上付近となるイメージです。
また、身体とボールの距離も重要です。身体とグリップエンドの距離は、アイアンで拳1.5個分程度、ドライバーで拳2個分程度となります。
ゴルフのボールの位置については以下の記事でさらに詳細に解説しています。アイアンはもちろん、全てのクラブのボール位置が分かればドライバーの引っ掛けも防止できるため、ぜひ参考にしてください。
また、適切なグリップの握り方も、引っ掛けの改善には重要です。一言でグリップといっても、握り方は以下のようにさまざまです。
- スクエアグリップ
- ストロンググリップ
- ウィークグリップ
- インターロッキング
- テンフィンガーグリップ
それぞれの特徴を適切に理解して、自分に合った握り方を見つけましょう。
直し方2:連続素振り
スイング中に身体が止まってしまいアイアンの引っ掛けが出る人は「連続素振り」のドリルがおすすめです。
連続素振りとは、通常の素振りでフィニッシュまで行った後に、そこから再度切り返してトップに向かい、連続して素振りを続ける練習です。
連続素振りを繰り返すと、力感を抜きながら身体全体を使ったスイングを習得できます。行きと帰りで同じ場所をヘッドが通る点を意識して取り組めば、ショットの安定性も向上します。
また、アドレスの一歩奥の場所にボールをセットしておいて、最後の1振りで踏み込んで打つ動作もおすすめです。
直し方3:スプリットハンドトレーニング
フェースを強く返してアイアンの引っ掛けが出てしまう人は、スプリットハンドトレーニングがおすすめです。
スプリットハンドトレーニングとは、右手と左手を離してグリップを握りクラブを振る練習です。
スプリットハンドでクラブを振ると、早い段階でのリリース(アーリーリリース)を防止できるだけでなく、インパクト直前の適切なフェースローテーションも習得できます。その結果、過度なフェースターンを防止でき、引っ掛けの原因を改善できる仕組みです。
ボールを打つのはもちろん、素振りだけでも効果が出るため、ぜひ取り入れてください。
ゴルフレッスンでは、ゴルフの指導のプロが、スイングの改善点やミスの原因を的確に教えてくれます。ゴルフレッスンは「インドアor屋外」「グループorマンツーマン」などさまざまであるため、自分に合ったレッスン形態を選びましょう。
まとめ
今回はアイアンの引っ掛けの原因や改善方法を解説しました。
アイアンのショットが左に巻かずグリーンに乗せられたら、バーティやパーを狙えるチャンスが増え、スコアアップに近付きます。
そのためにも、アイアンを引っ掛ける原因を適切に理解し、改善を目指しましょう。
本記事の後半では、自覚でもできる素振りメニューも紹介したため、ぜひ参考にしてください。