ゴルフでスコアアップを目指すならば、アイアンを番手通りに安定して飛ばす打ち方が重要です。アイアンの距離を安定させれば、適切な距離感でグリーンを狙えます。また、平均飛距離が上がれば、より簡単なクラブでショットが可能です。
しかし
「力はあるのにコースでアイアンが全く飛ばないのはなぜ?」
「番手通りにアイアンを打ちたいけれど何から手を付けてよいか分からない」
といった悩みを持ってしまいますよね。
そこで今回は、アイアンが飛ばない理由や対策、番手通りに飛ばすための練習方法などを解説しています。紹介した練習方法は記事を読み終えてすぐに取り組める内容であるため、是非上達の参考にしてください。
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【早見表】アイアンの飛距離の目安
アイアンが飛ばないと悩んだら、まずは番手別の飛距離の目安を把握しましょう。番手別の飛距離の早見表は以下の通りです。
非力なゴルファー | 平均的なゴルファー | ハードヒッター | |
3番アイアン | 165 | 180 | 195 |
4番アイアン | 155 | 170 | 185 |
5番アイアン | 145 | 160 | 175 |
6番アイアン | 135 | 150 | 165 |
7番アイアン | 125 | 140 | 155 |
8番アイアン | 115 | 130 | 145 |
9番アイアン | 105 | 120 | 135 |
ピッチングウェッジ(PW) | 95 | 110 | 125 |
アプローチウェッジ(AW) | 85 | 95 | 110 |
サンドウェッジ(SW) | 75 | 80 | 95 |
7番アイアンが50ヤードしか飛ばない、もしくは100ヤードしか飛ばないといった場合は、ミート率が低い可能性が高いです。
アイアンの飛距離が出ない原因・理由
アイアンが飛ばない理由は、基本的に「ミート率が低い」「ヘッドスピードが遅い」のいずれかです。しかし、それらが生じる原因は様々であるため、アイアンが飛ばない理由の適切な理解が重要となります。
ここでは、アイアンの飛距離が出ない理由や対策を解説します。
飛ばない原因と対策1:ハンドファーストで打てていない
アイアンが飛ばない理由に「ハンドレイト」のスイングがあります。ハンドレイトとは、アドレス時にグリップが右方向を向いている打ち方です。
ハンドレイトでアイアンを打つとインパクト時にフェースのロフトが上を向くため、ボールが飛ばない原因となります。
また、インパクトの最下点がボールより手前になりやすく、ダフリのミスにも繋がります。更にフェースが開いてインパクトしやすいため、スライスも出やすくなり、結果としてボールが飛ばないショットになるのです。
ただし、ハンドレイトは、クラブが長くなるほど自然に出てきます。そのため、ドライバーでのハンドレイトは問題ありません。反対にショートアイアンでハンドレイト気味のゴルファーは改善が必要と言えます。
ハンドレイトが理由でアイアンが飛ばないゴルファーは「ハンドファースト」のスイングが重要です。ハンドファーストとはハンドレイトの逆で、アドレス時のグリップが左(ターゲット方向)を向く打ち方です。
ハンドファーストで打つとインパクト時のロフトが正面を向き、強い弾道でボールが飛んでいきます。
また、インパクトゾーンを長く取れるためショットの安定性も向上します。更に、フェースが開きにくく、インサイドアウトのフォームとなりやすいため、ドローの習得も可能です。
結果として、アイアンの飛距離は安定して伸びるでしょう。
ただし上述の通り、ドライバーといった長いクラブは自然とハンドレイト気味になります。ドライバーやフェアウェイウッドが飛ばないからと言って無理にハンドファーストに変えると、ミスやボールが上がらない原因になるため注意が必要です。
いままでどんだけハンドレイトで打っていたか。
いままでのフルスイングよりもハンドファースト意識した8割スイングの方が圧倒的に飛ぶし安定感ある。— YH (@yh00027) May 16, 2022
飛ばない原因と対策2:すくい打ちになっている
アイアンが飛ばない理由として、すくい打ちのスイングが挙げられます。すくい打ちとは、ボールを下から上にヘッドですくい上げるように打つスイングです。
特に「ドライバーは飛ぶのにアイアンは飛ばない」といった方に多いです。
クラブの最下点がボールよりも手前となり、以下のような症状が発生します。
- アイアンが上に上がって飛ばない
- トップが出て飛ばない
- スライスやフックが出て飛ばない
すくい打ちが出る理由は様々ですが、以下の原因が多いです。
- ボールを上げる意識が強すぎる
- 体重が右足に残っている
- 右肩が下がったフォームになっている
- 右手を使って打とうとしている
すくい打ちとは反対のスイングが「ダウンブロー」です。ダウンブローとは、ヘッドの最下点がボールの先にあるスイングです。
ダウンブローで打てれば、インパクト時にクラブのフェースが立つため飛距離が向上します。また、ドライバーはダウンブローになりにくいクラブのため「アイアンだけ飛ばない」といった方は特に飛距離が伸びる可能性があります。
更に、バックスピン量も増えるため、グリーンでピタッと止まるショットも可能です。グリーンでボールが止まればピンをデッドに狙えるため、よりコースマネジメントがしやすくなります。
そして、基本的にダウンブローはクラブが短くなるほど強くなる点が特徴です。そのため、ドライバーやフェアウェイウッドでの過度な意識は不要です。
飛ばない原因と対策3:カラダが回転していない
手元だけで打つスイングは、アイアンが飛ばない理由となります。
手打ちになると下半身の筋肉を使えないため、身体を回転させたフォームよりもスイングのスピードが遅くなります。また、アイアンのヘッドをリリースしにくいため、インパクト時にヘッドが加速されません。
更に、手打ちになると安定性も欠く理由となります。その結果ミート率が低下し、距離ダウンや方向性のバラつきが出てしまいます。
手首や腕に負担もかかりケガの原因になる可能性もあるため、早めに改善が必要な打ち方と言えます。
一方で身体の「捻転」が最大限に使えると、飛距離アップに大きく貢献します。
ゴルフの捻転とは、バックスイング時に上半身と下半身で作られた捻じれを指します。この時の角度の差を「捻転差」と言い、理想は45度前後です。
「身体全体を使う」といった意識から、上半身と下半身が一緒に回っているアマチュアの方も多いです。しかしこれでは捻転差は生まれず、飛距離が伸びない原因になるため注意が必要です。
捻転を使えると、身体全体の力を使ったフォームとなるためヘッドスピードが向上します。また、フォームの安定性にも繋がるだけでなく、ミート率も上がり、平均飛距離アップも実現できます。
飛ばない原因と対策4:身体の軸を保って体重移動ができていない
アイアンが飛ばない人の中には、適切な体重移動ができていない方も多いです。
体重移動ができていないと身体の回転に勢いが付かず、ヘッドスピードが中々上がりません。その結果ボールが飛ばない打ち方となってしまうのです。
体重移動の意識があっても、以下のような打ち方は適切な体重移動ができていないため、結果として飛ばない打ち方となります。
- バックスイングで体重が右に流れて、ダウンスイング時も右足に残ったまま
- ダウンスイング時に体重が軸ごと左に流れて(スウェーして)いる
特に身体が左右に大きく動くフォームは初心者に多いため注意が必要です。
アイアンが飛ばない方は体重移動の習得が重要です。
正しい体重移動とは一言で「トップで右足にあった重心を、軸を残したまま左足に移動させる打ち方」です。
上半身で体重移動をしようとせず、下半身主導で、左足を踏み込むように重心を移動できれば、理想のフォームに近付きます。
体重移動ができると身体が回す力が強くなり、ヘッドスピードの向上に繋がります。その結果、アイアンの最大飛距離アップが実現可能です。
また、軸を残したまま体重移動ができると、その分芯でボールを打ちやすくなります。芯でボールを打てればミート率の向上に繋がり、平均飛距離や飛距離の安定性アップに繋がります。
飛ばない原因と対策5:クラブが自分に合っていない
自分に合わないクラブの使用も、アイアンが飛ばない理由の1つです。正しいフォームであるにも関わらずアイアンが飛ばない方は、一度自身のクラブを確認しましょう。
一言でゴルフクラブと言っても、アイアンの飛距離が落ちる理由は様々です。
- シャフトの硬さ
- ロフト角の大きさ
- ミスへの許容性
- 重心の位置
特にアイアンの場合「シャフトの硬さ」は非常に重要です。
シャフトが硬すぎると、クラブの撓りを最大限に使えず、アイアンが飛ばない原因となります。
一方で、カーボンシャフトのようにシャフトが柔らかいと、フェースの向きが安定せずボールが曲がりやすくなります。その結果、曲がったぶんの飛距離が落ち飛ばないだけでなく、スコアを大きく崩す理由にもなるため注意が必要です。
他にも、使っているアイアンが極端に古い場合も、飛ばない理由の1つになります。現在はクラブ性能の発達が急激に進んでいるためです。
また、昔のアイアンはロフト角が大きい傾向にある点も飛ばない理由です。更に、長期間使ったアイアンは劣化が進んでいるケースが多いため、購入時よりも飛ばない可能性があります。
適切なフォームでアイアンを打てている場合は、クラブを変えるだけで急激に飛距離が伸びるケースも少なくありません。
特に飛距離アップを実現できるクラブは「ストロングロフト」のアイアンです。ストロングロフトとは、同じ番手であってもロフト角が立っているクラブを指します。
例えば、一般的な7番アイアンのロフト角は33度~36度程度です。一方で、ストロングロフトのアイアンの中には7番アイアンのロフト角25度といったモデルも存在します。
一般的にロフト角が4度違うと10ヤード前後飛距離の差が生まれるため、ストロングロフトに変えるだけで20ヤード近く飛距離アップができる可能性もあるのです。
ただし、ストロングロフトのアイアンには以下のようなデメリットもあります。
- PW以下のクラブのロフト角が開きやすい
- ボールが上がりにくいためグリーン上で止まりにくい
しかし現在は重心位置の工夫によって比較的ボールが上がる飛び系アイアンも多いです。また、ウェッジを3本入れれば100ヤード以内の距離もしっかりとカバーできます。
アイアンが飛ばないその他の要因
その他にアイアンが飛ばない主な理由は以下の通りです。
- アイアンで高めにティーアップしているから飛ばない
- 冬場のラウンドではボールが飛ばない
- 練習場のボールの性能は低いため飛ばない
ショートホールで高めにティーアップを行うと、フェースの上部にボールが当たりやすくなります。そして、現在のクラブは低重心のモデルが多いため、フェース上部にボールが当たると初速の低下に繋がります。また、ティーアップが高いとアッパー気味の振り方になりやすい点も理由の1つです。
また「冬のゴルフで急にアイアンが飛ばなくなった」といった方も多いです。冬場のゴルフは寒さ対策で厚着になりやすく、厚着になるとヘッドスピードが落ちやすくなります。そのため、冬場は1番手上げて打つなどの対策が重要です。
他にも、練習場のボールは性能が低いレンジボールとなっているケースも多いです。レンジボールはラウンド用のボールと比べて飛ばない点に留意しましょう。
アイアンで番手通りに飛ばす練習方法5つ
アイアンが飛ばない理由は様々ですが、いずれの理由も適切な練習によって改善が可能です。
こちらではアイアンで番手通りに飛ばない方に、番手通りに飛距離を飛ばす練習方法を5つ紹介します。
練習ドリル1:ハーフスイング
アイアンが飛ばない方はハーフスイングの練習がおすすめです。ハーフスイングとは、フルスイングの半分程度の大きさでクラブを振る方法です。
ハーフスイングのショットを繰り返すと、身体が不要にブレないフォームが身に付き、ショットの安定性が向上します。その結果、ミート率アップに繋がり、アイアンが飛ぶようになる仕組みです。
最初は9番アイアンなどの短めのクラブで始めて、慣れてきたら徐々に他のクラブも使いましょう。
練習ドリル2:フォロースルーだけでボールを飛ばす練習
フォロースルーだけでボールを飛ばす練習も、アイアンが飛ばない方におすすめです。
フォロースルーだけでボールを飛ばす練習は、最初にハンドファーストのインパクトの形を作ってそのままターゲット方向にボールを押し出して行います。
腰を左に切り、フェース面を真っすぐ押し込んで、数ヤード程度ボールを前方に運ぶイメージです。手先でボールを押し出すと全く飛ばないため、ハンドファーストやダウンブローのイメージの習得や手打ちの改善、体重移動の感覚などを掴めます。
場所も取らない練習のため、自宅の庭や公園を使っても行えます。
練習ドリル3:両足を揃えてボールを打つ練習
アイアンが飛ばない方は、両足を揃えてボールを打つ練習も有効です。
両足を揃えてアイアンを打つと、軸を保ったままボディターンができるようになります。その結果、体重移動の際も軸を保ったままでいられ、ヘッドスピードの加速を促進されます。
また、腕と身体が同調したフォームも身に付き、ミート率アップも可能です。
最初からフルスイングでクラブを振るとバランスを崩してしまう可能性が高いため、ハーフスイングから始めるのがおすすめです。
そして、徐々にスイング幅を大きくして、身体が完全にターゲット方向を向くフィニッシュを取れるようにしましょう。最初はショートアイアンから始めて、最終的にはドライバーでも打てるようになるのが理想です。
練習ドリル4:片手打ち
片手打ちとはその名の通り、右手と左手それぞれ1本だけでクラブを握りボールを打つ練習です。アイアンが飛ばない理由を改善できる以下のような効果があります。
- 手打ちを改善できる
- ハンドファーストの手首の角度を維持できる
- 身体の開きを抑制できる
- 体重移動の感覚を掴みやすい
最初は中々ボールに当たらないため、小さいスイング幅から始めます。また、手首に負担がかかる練習のため、1日の練習で左右各5球程度ずつ、継続した取り入れがおすすめです。
練習ドリル5:連続素振り
ゴルフの連続素振りとはフィニッシュの後に再度切り返してトップに向かい、連続してクラブを振る練習です。
連続素振りの最も大きなメリットはスイングの安定性が高まる点です。正しいインパクトゾーンを繰り返し身体にすり込めるだけでなく、力感を抑えた感覚を習得できます。
また、ヘッドが走る感覚やアームローテーションも習得できるため、アイアンが飛ばない理由を改善可能です。
更に、自然と体幹や下半身が鍛えられる点も魅力と言えます。
連続素振りの際は以下の2点を意識して取り組みましょう。
- ヘッドがスイングプレーンに乗るフォーム
- フィニッシュからトップに戻る際も同じ場所をヘッドが通る
ゴルフレッスンでアドバイスをもらう
アイアンが飛ばない理由が分からない方や、アイアン以外の修正点も知りたい方はゴルフレッスンの活用もおすすめです。
ゴルフレッスンではゴルフ指導のプロであるレッスンプロから客観的にスイングを分析してもらえます。動画やショットデータを使うレッスンも多いため、上手く打てない理由やゴルフ理論の理解も促進されます。
自分では気付けない改善点や、飛ばない理由、上達のポイントなども教えてもらえるため、スコアアップに近付けるでしょう。
しかし、一言でゴルフレッスンと言っても「屋内orインドア」「グループorマンツーマン」など様々であるため、自身にピッタリのレッスンを見つけるのが上達のコツです。
まとめ:番手通りの飛距離を習得してスコアアップを実現しよう
今回は、ゴルフでアイアンが飛ばない理由や、飛ばない理由の改善策などを解説しました。
ゴルフでアイアンが飛ばない理由は様々です。人によって理由が異なるため「自分のスイングの改善点はどこか」「改善のためには何の練習に取り組む必要があるか」の正しい理解が大切です。
ゴルフでアイアンが飛ぶようになれば短いクラブでグリーンを狙えるようになれ、スコアアップに大きく近付きます。また、アイアンが飛ぶフォームを習得できれば、結果としてドライバーの飛距離アップにも繋がるため、ゴルフが更に楽しくなるでしょう。
是非次の練習から今回紹介したドリルを取り入れてください。