ゴルフのスコアアップにおいて「飛距離」は非常に重要な要素となっています。そして飛距離は「ヘッドスピード」と密接に関係しているので、計算式や上げ方の理解は大切です。
しかし
「自分のヘッドスピードが分からない…計算で求められる?」
「ヘッドスピードは速いはずなのに飛距離が伸びない」
といった悩みを持ってしまいますよね。
そこで今回は飛距離の目安や計算の方法、ヘッドスピードや飛距離の上げ方などを解説しているため是非参考にしてください。
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ヘッドスピードと飛距離の関係性
飛距離を決める要素は大きく分けると「ヘッドスピード」と「ミート率」の2つです。
ミート率とは、ボールの初速をヘッドスピードで割って計算した値で、高いほど良いとされています。アマチュアゴルファーの場合1.4前後あれば理想です。
ミート率が高いほどボールを効率良く打てている状態で、同じヘッドスピードであればミート率が高い方が飛ぶ計算となります。
しかしミート率には限界があり、プロゴルファーであっても1.5程度です。
ミート率が上限近くになった際に飛距離を伸ばすには、ヘッドスピードを上げる必要があります。同じミート率であれば、ヘッドスピードが速い方がボールを飛ばせる計算のためです。
ヘッドスピード別、ドライバーの飛距離の目安一覧【早見表】
ヘッドスピード別で計算したドライバーの飛距離の目安は以下の通りです。
ヘッドスピード | 飛距離の目安(ヤード) |
50m/s | 270~280 |
49m/s | 265~275 |
48m/s | 260~270 |
47m/s | 255~265 |
46m/s | 250~260 |
45m/s | 240~250 |
43m/s | 230~240 |
42m/s | 225~235 |
40m/s | 215~225 |
38m/s | 205~215 |
37m/s | 200~210 |
35m/s | 185~195 |
33m/s | 175~185 |
30m/s | 160~170 |
これらはミート率1.4前後で打てた場合の、ラン込みの飛距離として計算しています。
もちろん、ゴルフ場の状況によっても飛距離は変わるため、あくまでも目安としてください。
ヘッドスピード別|アイアンの飛距離の平均・目安【早見表】
ヘッドスピードの速さはアイアンの飛距離にも影響します。ヘッドスピード別で計算したアイアンの飛距離の目安は以下の通りです。
なお、表のヘッドスピードはドライバーのヘッドスピードを基準に計算しています。
33m/s | 35m/s | 37m/s | 38m/s | 40m/s | 42m/s | 45m/s | |
3I | 130 | 145 | 155 | 160 | 170 | 180 | 190 |
4I | 120 | 135 | 145 | 150 | 160 | 170 | 180 |
5I | 110 | 125 | 135 | 140 | 150 | 160 | 170 |
6I | 100 | 115 | 125 | 130 | 140 | 150 | 160 |
7I | 90 | 105 | 115 | 120 | 130 | 140 | 150 |
8I | 80 | 95 | 105 | 110 | 120 | 130 | 140 |
9I | 70 | 85 | 95 | 100 | 110 | 120 | 130 |
PW | 60 | 75 | 85 | 90 | 100 | 110 | 120 |
AW | 55 | 65 | 75 | 80 | 90 | 95 | 105 |
SW | 50 | 60 | 70 | 75 | 80 | 85 | 95 |
上述した通り、飛距離の計算にはヘッドスピード以外にミート率も影響します。そのため、ミート率の良し悪しによっても飛距離の計算が異なる点に留意してください。
「番手」を過信してはいけない
アイアンの飛距離の計算を行う際に「番手」を過信してはいけません。なぜなら、同じ番手でもモデルによってロフト角が異なるためです。
例えば、同じ「7番アイアン」でも、メーカーによっては34度や26度など、大幅に開きがあります。
そして、アイアンの飛距離はロフト角を基に計算されます。ロフト角が小さくなると、打ち出しの角度が小さくなり、飛距離が伸びる計算です。参考までに、ロフト角が1度小さくなると、飛距離は2.5ヤード程度伸びる計算となります。
つまり、同じ7番アイアンでも26度と34度では約20ヤード近く飛距離の差が出る計算となるのです。
そのため「〇番アイアンなら○○ヤード」などの固定概念は持たずに、自分のヘッドスピードとゴルフクラブで個別に飛距離の計算を行うのがおすすめです。
平均のヘッドスピード
ゴルフの飛距離はヘッドスピードに大きく依存します。そのため、適切に飛距離の計算を行うには、自分のヘッドスピードや平均値の理解が重要です。
ヘッドスピードの平均 | 飛距離の平均(ドライバー) | |
一般男性 | 35~43m/s | 210ヤード前後 |
一般女性 | 36m/s未満 | 150ヤード前後 |
男子プロ | 48m/s以上 | 280ヤード前後 |
女子プロ | 40m/s以上 | 240ヤード前後 |
アマチュアゴルファーはヘッドスピードの平均の幅が大きいです。運動経験や筋力によっても大きく変動するため、自分の中の目安を持つのも大切です。
ヘッドスピードの計算の仕方
上記ではヘッドスピードと飛距離の関係を解説しましたが「そもそも自分のヘッドスピードが分からない」といった方も多いです。
ヘッドスピードは専門の機材を用いての測定が最も正確ですが、飛距離から逆算した計算の方法もあります。
具体的には「ヘッドスピード=ドライバーの飛距離÷5.5」で計算が可能です。例えばドライバーの飛距離が220ヤード前後の場合、ヘッドスピードは40m/s程度と計算ができます。
しかし、これはミート率1.4前後のショットで計算のため、実際のアマチュアゴルファーはここまでのミート率で打てないケースが多いです。
また、飛距離は風の向きや強さによっても変わるため、無風の状態でナイスショットした時の飛距離で計算を行うのがおすすめです。
ヘッドスピードの測り方
上記ではヘッドスピードの計算の方法を紹介しましたが、実際のところミート率や天候の関係から正確な値が出るとは言いにくいです。
正確なヘッドスピードを知りたい場合、専門の機材を用いての測定がおすすめです。ここでは主な測定方法を3つ解説します。
練習場・ゴルフショップの活用
まず、測定器が設置されている練習場やゴルフショップで測定が可能です。
ゴルフに関わる指導はありませんが、比較的手軽に活用ができます。ただし、測定器を設置しているゴルフ場は多くなく、使用の規則も練習場やゴルフショップによっても異なるため注意が必要です。
また、練習場と似た施設として「シミュレーションゴルフ施設」があります。現在増加傾向にあるため、こちらもけんとうするのがおすすめです。
今日もシミュレーションゴルフへ
ヘッドスピードは総じて50m/s以上出ているが、ミート率が低い。大体が開いてスライスかプッシュなので、もう少し体を堪えないと。
アイアンは大体いい感じだった。ゆったりテイクバックからのダウンブローが出来ている気がした。 pic.twitter.com/3D0z3ZRPPk— RK_golf (@rk_golf) November 20, 2018
ゴルフレッスンの活用
インドアゴルフレッスンの活用もおすすめのヘッドスピードの測り方です。
ゴルフレッスンならばヘッドスピードが上がらない原因の解明や、綺麗なスイング作りも可能なため、スコアアップを実現しやすいです。
しかし、継続しないと効果は薄く手軽さも少ないため、単にヘッドスピードを知りたい方には向いていないと言えます。
ハンディ測定器の活用
参考:GST-7
現在は自分でヘッドスピードを測定できる、ハンディ測定器も販売されています。ハンディ測定器であれば、普段の練習でも常に測定・計算しながら取り組めるため大変おすすめです。
一言でハンディ測定器といっても様々ですが、おすすめはユピテルの「ゴルフスイングトレーナー」シリーズです。
機能はシンプルですが、ヘッドスピードや飛距離、ミート率の計算など、基本的な性能は全て揃っており、値段も1万円台と比較的お手軽となっています。クラブごとの平均値の表示も可能なため、自身のラウンド時の目安となる飛距離を計算しやすい点もポイントです。
ヘッドスピードがあるのに飛ばない原因
中には「ヘッドスピードはあるのにボールが飛ばない」と悩む方も多いです。それでは、そのような方は何を改善すべきなのでしょうか。
ボールを芯で打てていない
インパクト時にボールを芯で打てていないとヘッドの力を最大限に伝えられず、打球の初速は低下します。その結果、ミート率が下がり、ヘッドスピードの割にボールが飛びません。
ボールを芯で打てていない人は、ハーフショットなどを取り入れてミート率の向上を目指すのがおすすめです。
ハーフショットとは、フルスイングの半分程度の大きさでボールを打つ練習です。上級者やプロも取り入れておりゴルフの総合的な上達に繋がります。
ボールが左右に曲がる
ボールが左右に曲がる場合も、飛距離ロスの原因となります。ボールが横に曲がると、OBなどでスコアを崩す危険性も生まれるため改善が必要です。
ボールが左右に曲がる原因は、左に曲がる「フック」と右に曲がる「スライス」で違います。詳しくは以下の記事で解説しているため、是非参考にしてください。
ゴルフ 右に飛ぶ原因とは?ドライバーやアイアンで初心者が失敗する理由とは?
ボールが左に飛ぶ原因3つ!ゴルフ初心者にありがちなこととは?
クラブが合っていない
ヘッドスピードが速くても、クラブが自分に合わないと飛距離は伸びません。
例えば、ヘッドスピードが速いのにロフト角が極端に大きいドライバーを使うと、ボールが高く上がりすぎて飛距離が落ちる原因となります。
他にも、シャフトの硬さが合わないとボールが左右に曲がり飛距離の低下に繋がります。そのため、自分に合ったクラブの選択は重要です。
自分に合ったクラブが分からない方はクラブフィッティングを活用すれば、自分に合ったクラブを理解できるためおすすめです。
ヘッドスピードを上げるコツと練習方法
他にも練習してもヘッドスピードが上がらないなどの悩みも多いです。しかし、一定のスピードまでであれば特別な才能なしでも到達できます。
ヘッド・シャフトを見直す
クラブのヘッドやシャフトを見直すとヘッドスピードが上がる場合があります。
まず、ヘッドの重量が軽くなればその分クラブを速く振りやすくなります。
また、シャフトが柔らかくなるのもヘッドスピードが上がる要因です。シャフトが柔らかいとインパクト時にシャフトが撓り、ヘッドの加速に繋がるためです。
ただし、ヘッドが軽すぎると手打ちの原因、シャフトが柔らかすぎるとボールが左右に荒れる原因となるため注意が必要です。
身体の捻転を覚える
ヘッドスピードが上がらないゴルファーは手打ちであるケースが多いです。
強く振ろうとして力んでも、身体全体を使えないスイングではヘッドスピードは上がりません。それどころかゴルフの安定性の低下に繋がる恐れもあります。
身体全体を使ったスイングの習得には、バックスイング時の「捻転」がポイントです。
ゴルフの捻転とは、トップ時の身体の捻じれを指し、肩を90度、腰を45度程度回転させたトップが理想と言われています。そして、この45度の差を「捻転差」と言います。
捻転を覚えるポイントは「下半身の固定」です。バックスイング時に左足を踏み込み、右膝の向きを変えないイメージを持つと、腰が不要に回るのを防いでくれます。
捻転差を作れると、身体の回転を利用でき、ヘッドスピードアップに繋がります。また、スイングの安定の要因にもなり、ボールが左右に曲がらなくなる点もメリットです。
軽い道具と重い道具を交互に振る
ヘッドスピードを上げるトレーニングには、軽い道具と重い道具を交互に振る練習がおすすめです。
バットなどの重い道具を振ると、スイングに使う筋力を増やせるだけでなく、身体全体を使ったスイングが身に付きます。
また、アライメントスティックといった軽い道具を力強く振ると、身体が速いヘッドスピードの動きに慣れ、ドライバーも早い動きで振れるようになります。
まとめ
今回はゴルフの飛距離の計算や、ヘッドスピード別の目安を解説しました。
ゴルフで適切な自分の飛距離を計算出来れば、大幅なスコアアップも夢ではありません。残りの距離と自分のクラブの距離を計算してラウンドができるためです。
しかし、飛距離からヘッドスピードの計算を行う方法は、ミート率やコースのコンディションの兼ね合いから決して正確とは言えません。そのため、専門の機材を用いた測定がおすすめです。
また、ヘッドスピードや飛距離が中々上がらない方も多いですが、一定の水準までであれば特別な才能なしでも到達できるため、是非本記事の内容を練習に取り組んでください。