ゴルフにおいて「ヘッドスピード」は非常に重要な要素の1つです。ヘッドスピードを上げると飛距離が伸びやすくなり、その分短いアイアンでグリーンを狙っていけます。
しかし「ヘッドスピードを上げるコツが分からない」「力強く振っているのに飛距離が変わらない…コツはある?」といった悩みを持っている方も多いのでは?
そこで今回は、ヘッドスピードを上げるコツやおすすめの練習方法、練習器具などを解説しています。適切な方法でヘッドスピードを上げるコツが分かればスコアアップに大きく近付くため是非参考にしてください。
スポンサーリンク
ヘッドスピードが上がらない2つの理由
アマチュアゴルファーの中には「筋力はあるのにヘッドスピードが速くない」方も多いです。
反対に、プロゴルファーは身体が細くてもスイングのコツを掴んでいるため50m/s以上でドライバーを振る方も少なくありません。
それでは、アマチュアゴルファーとプロゴルファーのフォームは何が違うのでしょうか。
ヘッドスピードが上がらない理由➀:スイング
アマチュゴルファーは、ヘッドスピードを上げるコツが分からない方が多いです。上げるコツが分からなければ、いくらムキムキの筋力があってもスピードアップはしません。
反対に言えば、筋力がなくてもコツさえ掴めれば、一定水準までヘッドスピードを上げるのも可能です。
特に多いのが「コツに頼らず力感が出て手打ちになっている」です。力任せにクラブを振ってしまうとヘッドスピードが上がらないだけでなく、安定性の低下に繋がる恐れがあるため注意が必要です。
2)ヘッドスピードが上がらない理由➁:筋力
筋力が一切不要というわけではありません。
上述した通り、ヘッドスピードを上げるにはスイングのコツを掴むのが重要です。コツが掴めれば、筋力がなくても一定水準までヘッドスピードは上がります。
ゴルフの安定性に着目しても、まずスイングのコツの習得がおすすめです。
しかし、コツを掴んだ後にヘッドスピードを上げるには筋力も必要となります。筋力だけに頼ってはいけませんが、筋力があれば安定したフォームにも繋がるため、日々の身体作りも大切です。
ライザップが監修、運営する「ちょこざっぷ」が全国展開しています。毎日5分のちょこトレ習慣するだけでも効果あるので気になったら下記をチェックしてくださいね。
ゴルフのスイングに慣れていないだけの可能性
初心者の場合、ヘッドスピードが上がらない理由はゴルフのスイングに慣れていないだけの可能性があります。
ゴルフのスイングは動きが左右非対称の独特な動きのため、慣れるまでは中々ヘッドスピードは上がりません。
安定してボールに当たるようになるまでは、ヘッドスピードは気にせずにスイング作りに徹しましょう。
ヘッドスピードを上げる5つのコツ
上述した通り、ヘッドスピードを上げるには筋力でなくスイングのコツが重要です。コツを掴めれば一気にヘッドスピードが速くなるケースも少なくありません。
ここでは、ヘッドスピードを上げるコツを5つ解説します。
コツ1)身体の捻転を使ったスイングをする
ヘッドスピードが上がらない手打ちのフォームの改善には、身体の「捻転(ねんてん)」が重要となります。ゴルフの「捻転」とは一言で言うと「トップ時の身体の捻じれ」です。捻転を覚えると手打ちが改善されるだけでなく、身体の回転を効果的に利用したスイングとなり、ヘッドスピードを上げるフォームに繋がります。
バックスイングで肩が90度、腰が45度ほど回るのが理想とされており、この肩と腰の角度の差を「捻転差」と言います。捻転差が生じるか否かが、腰も膝も一緒に回ってしまう「回転」との違いです。
捻転を覚えるコツは下半身の固定です。バックスイング時に下半身も一緒に回ってしまうと、捻転ではなく回転になってしまうためです。
下半身を固定には、肩と股関節が一枚の板となる感覚を持ちましょう。また、右足は流れないように踏ん張って、左足は少し前に出すイメージを持つのがコツです。
コツ2)グリップの力感を抜く
ヘッドスピードを上げるスイングができない方は、力感が強すぎるケースも多いです。意外かもしれませんが、グリップの力感を抜くのがスイングスピードを上げるコツとなります。
グリップが緩むと身体全体の力感が抜け、効率の良いフォームとなります。
また、グリップの力感を抜くと、手首も柔軟に使える点もポイントです。手首を柔らかく使えると、ダウンスイングのインパクトのタイミングで、クラブのヘッドが走りやすくなります。
その結果、インパクト時のヘッドの加速に繋がるため、ボールを遠くまで飛ばせるようになる仕組みです。
コツ3)フォロースルーを大きく取る
インパクト後のフォローを大きく取るのもヘッドスピードを上げるコツです。フォロースルーを大きく取れれば、インパクト前後のヘッドの加速に繋がります。
フォロースルーを大きく取るには、インパクト後の左肘の向きが重要です。左肘が外を向くと遠心力が使えずにフォローが小さくなってしまいます。
反対に、左肘を曲げないスイングがヘッドスピードを上げるコツです。腕主導ではなく身体主導を意識して、身体の左側で「ビュン」と音が鳴るようにしましょう。
身体の左でビュンと音が鳴ればヘッドが加速している証拠となり、フォロースルーも大きく取れるフォームとなります。
コツ4)「コック」のコツを掴む
「コック」の習得も、ヘッドスピードを上げるコツです。ゴルフのコックとは、一般的に「スイング中に親指方向に手首を折る動き」を指します。
インパクト時にコックを上手く使えれば、ヘッドが加速してパワーを最大に伝達したショットが打てます。
コックを作るには身体の回転主導のフォームがポイントです。切り返し時に「身体の回転が始まるタイミング」と「腕が下りてくるタイミング」に時間の差を付けるのがコツとなります。
コツ5)クラブを変える
コツを覚えなくても、クラブを変えるだけでヘッドスピードが上がる場合もあります。
まず挙げられるのが「軽いクラブを使う」です。クラブが軽くなれば、それだけクラブを振るのが簡単になり、ヘッドスピードが上がるスイングとなります。
他にも「長尺なクラブを使う」もコツの1つです。シャフトが長いクラブを振れば、遠心力が増加し、その分スイングが速くなります。
ただし、いずれのクラブもデメリットがある点に注意が必要です。クラブが軽くなると、手打ちを促進しやすく、長尺なクラブはミート率の低下に繋がる恐れがあります。
ゴルフで重要なのは飛距離よりも安定性であるため、自分に扱えるクラブであるかを考えるのがコツです。
ヘッドスピードと飛距離の関係はある?
ヘッドスピードは飛距離にも大いに影響します。ゴルフの飛距離に関係のある要素は「ミート率」と「ヘッドスピード」です。
ミート率が高いとそれだけゴルフの安定性を上げる効果もあるため、基本的にはヘッドスピードよりもミート率を上げるのがコツです。
しかしミート率には限界があり、プロであっても1.5程度となっています。
そこから飛距離を上げるショットと変えるには、ヘッドスピードを上げるのが重要です。ミート率とは異なりヘッドスピードには上限が無いため「ミート率が同じであればヘッドスピードが高いほどボールが飛ぶ」と言えます。
ヘッドスピードを上げる素振り・ドリルの練習方法
それでは、ヘッドスピードを上げるにはフォームのコツの習得以外に何をすれば良いのでしょうか。
ここでは、ヘッドスピードを上げる素振り・ドリルの練習方法を解説します。
ヘッドスピードを上げるには素振りが重要
ヘッドスピードを上げるには素振りが重要です。
アマチュアゴルファーの中にはボールにインパクトしようという意識から、自然なスイングができていないケースも多いです。
また、ボールにインパクトした瞬間にフォームが緩んでしまう方もいるため、フォロースルーで加速させる点を意識した素振り行うのがコツです。
重い道具と軽い道具を交互に振る
重い道具と軽い道具を交互に振る練習もヘッドスピードを上げるのに有効です。
バットなどの重い道具を力強く振ると、スイングに必要な筋肉が鍛えられます。また、重い道具は身体全体を使わないと振れないため、手打ちの改善効果もあります。
一方でアライメントスティックといった軽い道具を力強く振ると、早いスイングの感覚を身体が覚えます。最初はスイングスピードの速さによって身体に負担がかかる可能性があるため、ゆっくりと振り始めるのがコツです。
竹ボウキで素振りをする
意外な練習かもしれませんが、竹ボウキでの素振りもヘッドスピードを上げる練習としておすすめです。
竹ボウキは先が重いため、自然に身体主導のフォームとなり、遠心力を使う感覚も習得できます。自宅の庭で簡単にできる練習である点もポイントです。
竹ボウキ素振り効果かっ!?
ドライバーで200ヤード看板を狙ったら1発で当たったっ!
よし、この感覚を大事にする為に今日はもうドライバーは振らん。
(たぶんまだ振るな) pic.twitter.com/MsOnaKU6lT— バブゴルフ@フンワリを追い求める (@babzbabz71) October 25, 2019
左手一本でスイング
ドライバーを左手一本で握り、スイングを行うドリルもおすすめです。実際にボールを打つ必要はありません。
左手一本でスイングを行うと、力が入らずにグリップが減速し、相対的にヘッドが走ります。
ヘッドが走る感覚が身につけば、インパクト付近のヘッドスピードが向上し、飛距離アップに繋がります。
最初から片手でのスイングが難しい方は、グリップ側もしくはアライメントスティックを持ってスイングし、フォローで音が鳴るように振るドリルがおすすめです。
ヘッドスピードを上げる筋トレやトレーニング
ヘッドスピード40m/s~45m/sを目指すアマチュアゴルファーの場合、基本的に特別な筋トレや訓練は必要ありません。
ゴルフで使う筋肉を最も効率的に鍛える方法が「クラブを振る」のためです。ヘッドスピードを上げるコツに注意して日々の練習を行えば、一定のヘッドスピードが身に付きます。
ヘッドスピードを上げるための筋肉は主に3つ
しかし一定以上のスピードを目指すのであれば、筋トレといったトレーニングも必要です。
ゴルフのスイングで使われる主な筋肉は「体幹」「背筋」「下半身」です。これらの筋肉を鍛える手段は数多くありますが「プランク」「バックエクステンション」「スクワット」などがメジャーです。
もちろん、他にやりやすいトレーニングがあれば採用しても問題ありません。
ただし、上述の通り筋トレは補助的な役割にして、素振りを重点的に取り組むのが上達の観点からはおすすめです。
ヘッドスピード50を出すトレーニング
ヘッドスピード50/sは男子プロ並みの値です。このレベルになるには、フォームの最適化に加えて体幹や下半身の強化も必要となります。
ヘッドスピード50m/sを出すための独自のトレーニングはありませんが、上記した基本的な筋トレを取り入れつつ、フィジカル面とスイング面の両方を長期的な目線で育てる意識が大切です。
ヘッドスピード60を目指すトレーニング
ヘッドスピード60m/sはドラコン選手並みの値です。このレベルになると、安定性を捨てて、ヘッドスピード特化のフォームの検討が必要です。
ゴルフのスコアアップの観点からは望ましくありませんが、スピードだけを見るならば、左踵を上げるオーバースイングなどが考えられます。
他にも極端な長尺ドライバーの使用なども視野に入れるのがおすすめです。
ヘッドスピードの平均・目安
アマチュアゴルファーのヘッドスピードの平均は38m/s〜43m/s程度と言われています。
男子プロゴルファーの50m/s前後を普通と思ってしまうと、力みからスイングが崩れる原因となるため注意しましょう。
以下ではゴルファーのレベルとヘッドスピードの平均を表にまとめています。
レベル | ヘッドスピードの平均・目安 |
男子プロ | 48m/s~53m/s |
アマチュア男性 | 38m/s~43m/s |
女子プロゴルファー | 40m/s~45m/s |
アマチュア女性 | 30m/s~35m/s |
ヘッドスピードから飛距離の目安も求まる
自身のヘッドスピードが分かれば、ドライバーの飛距離の目安も求まります。
飛距離の目安=ヘッドスピード×5.5
例えば、ヘッドスピードが40m/sの方であれば、ドライバーの飛距離220ヤード前後が目安となります。
この値よりも飛んでいない場合は、ミート率が低い可能性があります。スイングを見直してより効率的にヘッドの力をボールに伝えましょう。
ドライバーのミート率は1.3代後半を維持できるようになるのが、1つの目安です。
中には飛距離の目安を「9番アイアンの倍」と考える方もいますが、現在のアイアンはストロングロフト化の影響もあり、従来よりも飛距離が出やすいです。実際に9番アイアンの倍の飛距離を安定して打てる方は少ないでしょう。
ヘッドスピードの測定方法
自身のヘッドスピードを適切に理解している方は決して多くありません。
飛距離の目安や自身の現状を知るためにも、正確なヘッドスピードの測定がおすすめです。
ここでは、ヘッドスピードの主な測定方法を4つご紹介します。
市販の測定器を購入
詳しくは後述しますが、ハンディ測定器の購入が最も手軽にヘッドスピードを測る手段と言えます。
練習時に場所を選ばずいつでも測定ができるため、1台保有しておくと非常に便利です。
本格的な機材ではなくてもヘッドスピードやミート率などは測定できます。定期的に現状把握ができれば、練習の方向性も定まるでしょう。
インドア練習場
シミュレーションゴルフや弾道測定器を設置しているインドア練習場でもヘッドスピードの測定が可能です。
また、インドア練習場であればカメラを設置している店舗も多いため、スイングを客観視して改善点の把握ができます。
天候や季節にも影響されないため、練習自体の質の高さも魅力です。
ただし、インドア練習場は会員制のケースも多いです。屋外練習場との併用か、メインの練習場をインドア練習場に変えるかの判断が必要な場合もあります。
ゴルフレッスン
インドアで行われるゴルフレッスンでもヘッドスピードの測定が可能です。
また、レッスンであればプロの視点からスイングの改善点を指摘してもらえます。
中にはヘッドスピードの向上に自信のあるレッスンプロも多いです。ヘッドスピードを上げるコツを知りたい方は、ドラコン競技で戦うレッスンプロを選ぶのもおすすめです。
ゴルフショップの試打コーナー
ゴルフショップの試打コーナーでもシミュレーションゴルフが設置されているケースが多いです。
自身のクラブを持ち込める店舗もあるため、近くのゴルフショップに確認しましょう。
ヘッドスピードを上げるおすすめの練習器具
ヘッドスピードを上げるのが目標の場合、練習器具の導入がおすすめです。
一言で練習器具と言っても多岐に渡る種類があります。ここでは代表的な器具を2つご紹介します。
ハンディ測定器
ハンディ測定器とは、自身のヘッドスピードや飛距離、ミート率などを測定できる練習器具です。
ヘッドスピードを上げるのが目的の場合、自分の現状を確認できるハンディ測定器は必須とも言えるでしょう。
持っていない場合はシミュレーションゴルフやレッスンなど、専門的な施設を使わないといけませんが、ハンディ測定器を持っていればその必要もありません。基本的な性能のみで良い場合は1万円程度から購入も可能であるため非常におすすめです。
スイング練習機
スイング練習機とは、その名の通り振るだけで自身のスイングが改良されていく練習機器です。ヘッドスピードアップに関わるスイング練習機には以下のような種類があります。
- スイングに使う筋力を付けるスイング練習機
- シャフトの撓りを感じるスイング練習機
- ヘッドの走りが分かるスイング練習機
ヘッドスピードを上げる練習器具は、他にも数多く販売されています。楽天などのスイング練習器ランキングなどを見て自分に合った器具の導入がおすすめです。
まとめ
今回は、ヘッドスピードを上げるコツや練習法などを解説しました。
ヘッドスピードを上げるために重要なのは筋力ではなく適切なフォームです。適切なフォームのコツが分かれば一気に飛距離アップを実現できる場合もあります。
また、一定水準以上のヘッドスピードを得るためには筋力も必要ですが、ゴルフの飛距離はミート率の要素も含まれるため、自分に合った方法で上達に励みましょう。
関連記事
おすすめウェッジ50度54度58度の使い分けとは?
おすすめウェッジ52度と58度の使い分けって?初心者におすすめのウェッジも紹介!